合格体験記 番外編
今回は少し変わった「番外編」の合格体験記をお届けします。大学受験のお話ではありません。中学時代にイノセントに在籍していたOB・鈴木田麟太郎(すずきだ りんたろう)さんが、野球のトライアウトを経て、アメリカ・ニューヨーク州のフルトン・モンゴメリー・コミュニティ大学からオファーを受け、今年9月に入学することが決まりました。勉強が大の苦手だったという中学時代から、海を渡って野球に挑むまで。まもなくアメリカへ旅立つ鈴木田さんに、当時のことをじっくり語ってもらいました。
イノセントに通うことになったきっかけは?
イノセントに通い始めたのは、中学校の夏休み前ぐらいです。正直に言うと、僕は勉強が本当に苦手でした。ほぼ全教科を小学校の基礎ぐらいからやり直さないといけないレベルだったんです。
野球ではオファーをいただいていたので、高校に進むこと自体は決まっていました。ただ、「入学した後の勉強が大丈夫なのか」と、母がずっと心配していて。母が井上先生に僕のレベルを聞いたとき、「小学生の内容からですね」と言われたくらいです。たぶんOBの中でも一番ひどい生徒だったと思います。
それでもイノセントに通おうと思えたのは、入る前の面談で井上先生と話したときに、「この先生となら勉強を楽しく学べるかも」という雰囲気を感じたからです。学校の先生とはまた違う、「一緒にやっていける」という感覚がありました。実際に通い始めると授業が本当に面白くて、勉強嫌いの僕でも不思議と毎日通えました。
イノセントで頑張ったこと
イノセントでは、ほぼ全教科を小学校の内容と中学校の基礎からやり直しました。本当に一からのスタートです。中学のあの時期だけの通塾でしたが、人生で一番勉強を頑張ったと思います。
当時の僕は、陸上と野球と勉強を全部やっていて、休みがほとんどありませんでした。毎日野球で疲れていて、入塾してすぐは「塾に行きたくないな」と思う日もありました。でも、いざ教室に入ってみると「やっぱり楽しい」と思える場所で「続けたい」と思うようになっていて、夏休みの講習も毎日通いました。今振り返っても、自分でも不思議です。
僕は雰囲気が良くないと勉強を続けられないタイプで、授業中に5分座っているのもきついほうでした。それでも続けられたのは、先生方がフレンドリーで、授業が面白かったから。そして井上先生から「(頭に)入らないと意味ないぞ」とバシバシ言われていたことも、大きかったと思います。ただ量をこなすのではなく、ちゃんと身につけるまでやる。その姿勢を、あの時期にたたき込んでもらいました。
イノセントで学んだこと
イノセントで学んだことで一番大きいのは、スケジュール管理、つまり自己管理です。夏休みの計画を自分で立てたり、勉強と野球の時間を管理したり。「30分真面目にやって10分休憩する」というように、自分なりの勉強時間の作り方がうまくなりました。1週間の予定を紙に書き出し、スケジュールを組むようになりました。
この自己管理は、今もめちゃくちゃ生きています。海外へ行く準備も、親に頼らず自分でビザを取りに行ったり、大阪へ行く計画を立てたり、全部自分でやるようになりました。中学のときに身につけた「自己管理」が、そのままアメリカへ渡る土台になっているんです。
もうひとつ良かったのは、先生と勉強以外の話も気軽にできたことです。進路の話など、いろいろ相談させてもらいました。イノセントを離れた後でも、相談できる環境があるのはありがたいです。僕にとってイノセントと井上先生は、いつでも帰ってこられる場所であり、勉強も自己管理も含めた自分の基盤になっています。
将来のこと
高校に入ってからのことも、少しお話しします。僕は最初の夏が終わったところで、学校を離れる決断をしました。井上先生にも期待してもらっていたので申し訳ない気持ちはありましたが、「もう一回野球を諦めたくない」という思いのほうが強かったんです。そこから通信制に切り替えて、「目標は海外」と一本に絞り、英語も頑張りました。
まずはオーストラリアへ短期の野球留学に行きました。語学留学がメインで、夕方から現地のチームに参加するという形です。そこで「もっと高いレベルでやりたい」と思うようになり、帰国してすぐアメリカのことを調べました。ちょうどトライアウトがあることを知り、本当に「記念受験」のつもりで受けたら、約5校からオファーをもらえたんです。受かった瞬間は真っ先に井上先生に連絡しました。
そして9月から、ニューヨーク州のフルトン・モンゴメリー・コミュニティ大学へ進みます。大学は2年制なので、まずはそこで下積みをして、活躍して奨学金をもらい、ステップアップしていく計画です。夢はメジャーリーガー。メジャーリーガーになって盗塁王や首位打者など、自分の得意なところでタイトルを取りたいです。イノセントのOBで海外の大学に行くのは僕が初めてらしいので、有名になりたいですね。しっかり活躍して、恩返しもできたらと思っています。
最後に後輩へ一言
僕はスポーツマンなので、伝えたいのはやっぱり「諦めずにやること」です。入試でも何でも、挫折しそうになる時はあります。でも、そこを乗り越えることで夢に近づけるんです。何でも前向きに捉えてほしいと思います。
それから、夢は大きく持ってください。1年前に井上先生に「アメリカの大学に行く」と言ったときは、本当にできるのかと思われていたかもしれません。でも、前向きに努力すればいけるんです。そのうえで、目標は一つに絞ること。あれもこれもとなるとパニックになってしまうので、これと決めたものに向かってほしいです。
ただし、自分を追い込みすぎないことも大事です。休みもちゃんと取ってください。僕はイノセントで、成功への「かけら」を掴めた感覚がありました。後輩のみなさんにも、それぞれの場所で自分の成功への「かけら」を掴んでほしいと願っています。