今回は、高校2年生で英検2級を取得した生徒さんについてのお話です。
最近、高校在学中に英検2級に挑戦する生徒さんが増えています。
難易度は、単語も文章レベルも大学入学共通テストとほぼ同じレベルです。
英検2級で最後に合格率が発表されたのは2016年度で、その時の合格率は約3割です。
受験生も増えていますし、問題も少しずつ難しくなっている気がします。
英検2級を取得していると、大学入試で免除や加点として優遇されることもあります。
有名私大だと出願要項になっているところもあります。
英検準2級までは順調に取得できても、
2級ではそれなりの対策や計画が必要になります。
記事の内容
英検2級は独学で!でもあと一歩で届かないMさん
僕の塾でも同じ悩みをもつ生徒さんがいました。
当時高校1年生のMさんです。
Mさんはイノセントで英語を受講するまで、英検2級に計3回落ちています。
それにより、英語に対する自信もすっかり無くしているように見えました。
今の高校生は課題や部活、習い事などで本当に忙しく、
真剣に英語に集中する時間ってなかなか取れません。
Mさんは学校の課題を提出しながらも、英検の勉強も頑張っていました。
ただ、過密スケジュールの中にさらに「英検対策」を入れることは容易ではありません。
ですので、試験対策が必要となる英検2級って独学だとかなり難しいです。
苦手科目の数学だけ受講
Mさんはがイノセントに入塾したのは、高校1年生の11月。
偏差値59 – 60前後の進学校に通っていました。
数学の授業のスピードについていけなくてMさんが家で泣いてたところ、
お母さんが「どうした?」と声をかけたことがきっかけで
イノセントに通うことになりました。
その際に英語についてもヒアリングすると、
渡辺「英検とか持ってる?」
Mさん「準2級は持ってます。でも、2級は2回落ちてます」
渡辺「2級は結構難しいけど、勉強できよる?」
Mさん「う〜ん、そんなに。でも、とりあえず数学だけで!」
渡辺「OK!じゃあそれでいこっか!」
こんな感じで、まずは数学だけ通うことになりました。
入塾後、Mさんは数学の授業で分からなかったところを聞いてくれたり、
何度も復習を繰り返すことにより、
学校の授業も理解できるようになりました!
分からないところをそのままにせず、
徹底的につぶしていったんです。
徐々に積極的に質問もしてくれるようにもなりました。
通塾開始から4か月。
数学では学校の授業にもついていけるようになり、
テストの点数にも成果が出始めていました。
さらに、3回目の英検2級の試験に挑戦!
その後、高校1年生の2月。
Mさんは3回目の英検2級の試験に挑みました。
しかし、結果は残念ながら不合格。
LINEで「惜しくないですかww」ってスクショを送ってきてくれました。
英検2級の合格基準点 – 1520点
Mさんのスコア – 1496点
確かに惜しいです。
しかし実は前回も同じようなスコアだったんです。
Mさんは明るく振舞ってはいたものの、
「このままじゃ無理なのかな。。」
という諦めの気持ちがどこかにあるように感じました。
でも僕はこのまま諦めて欲しくはなかったんです。
合格まではほんとあと少し!!
ですので、聞いてみました。
渡辺「英検の勉強もやる?」
Mさん「はい、お願いします!」
こうしてMさんの英検2級のリベンジをスタートさせました!
英検リベンジャーズ!
まずは、Mさんの1週間のスケジュールを洗い出し。
すると、英検のための時間がしっかり取れていないことがわかりました。
Mさんの場合、部活や課題などですでに手一杯でした。
英検は特に単語力が重要です。
試験日から逆算して「いつまでに何単語覚えよう」と計画を立てて取り組む必要があり、やはり時間をかける必要があります。
苦手意識
英検2級に3度失敗したMさんは、英語に対して少し抵抗があるように感じました。
Mさんは英検準2級に合格できるだけの英語力はありますし、同世代の子たちの中ではむしろ何歩も先に進んでいます。
そんなMさんでも、英検2級に3回も落ちれば自信を失くすのは当然のこと。
僕たちが英語の勉強をアシストすることで、Mさんの英語に対する抵抗を失くし、自信を取り戻してあげたいと強く思いました。
英検2級取得への取り組み
では実際にどんなことをしたのかを説明します。
文法
Mさんはこれまで独学で英語を学んでいたので、知識の偏りがある可能性を考え「精選600」というテキストで単元ごとにチェックしていきました。
「精選600」は、600問全てが並び替え問題で構成されているテキストです。
実は並び替え問題は、文法を正確に理解していないと正解できないので、苦手な単元や勘違いして覚えている箇所が一目でわかります。
僕にとっては、生徒さんの実力を測るのにすごく便利な参考書です。
[ 英語整序問題精選600 ]
Mさんは、概ね理解できていたのですが「分詞、関係代名詞、不定詞」などにはまだ少し伸び代がありました。
日本語と文の順番が違うので、並び変えるときに間違えやすいんです。
つまづきポイントを一通り洗い出せたらあとは簡単。
学校の文法書を使って、苦手な単元ごとに丁寧に理解しなおすだけです。
単語
英検には単語が重要です。
そのため単語力も同時に鍛えました。
英単語を1週間に100問覚えてきてもらい、テストをします。
(ちなみに、イノセントでは中学生でも週に100問覚えます)
[ 単語テストの写真 ]
単語を覚えるコツは「発音をしっかりと確認すること」です。
そのため、単語帳はカタカナ発音が添えてあるものを使用します。
目で見て読めない単語は、耳で聞いても理解できないからです。
カタカナ発音を確認は、ネイティブのリスニングにもつながります。
手で書く、目で見る、耳で聞く、口で発音する、刺激を増やせば増やすほど、新しい単語を覚えやすくなります。
英作文(ライティング)
英検2級の英作文では、社会問題に関する記述問題がでます。
また、英検2級の二次試験の面接でも社会問題に関する「スピーキング」があります。
そのため英検2級では、普段から社会問題に関心を向け、自分の意見を英語で書けたり話せたりする必要があります。
面接で自分の意見を話すこと、これが結構難しいんですよね。
オーストラリアに留学経験がある生徒でも1回落ちたぐらいです。
(その子は社会的なトピックについていけなかったのかもしれません。)
[ 英検2級 面接大特訓 ]
そこで使ったのが「英検2級 面接大特訓」です。
社会問題に対して自分の意見を「ライティング」と「スピーキング」の両方で答えられるようにするのに最適なテキストで、
「書けること」「話せること」この両方を常に意識して文章を作成してもらいました。
面接
二次試験の面接対策では、ネイティブの発音が一番のネックです。
面接官はネイティブが多いので、ネイティブのCDを流しては止めて、流しては止めてを繰り返し、とにかくネイティブの発音に慣れてもらいました。
最初は僕が英文を読んでいましたが、潔くネイティブの教材に切り替えました。
「渡辺先生の英語なら聞けてたんですけど、ネイティブは何言ってるか分からないです 」ってなったらよくないので(笑)
使ったテキストはこちらです。(ちなみに今は新しいテキストが出ています。)
[ 2級 10日でできる英検二級 ]
過去問
総仕上げとして過去問を使って、分からない文章に線を引っ張ってもらいました。
「どこまでが分かって、どこまでが分からないのか」をできるだけ明確に言語化、説明してもらうためです。
そうすることで、より理解を深めたり、誤った理解を確認・修正できるからです。
[ 2021年度版 英検2級 過去6回全問題集 ]
そして3か月後、、、
英検2級の対策を始めて3ヶ月後、無事に英検2級を合格できました!!
普段は感情をあまり表に出さない子なのですが、
合格したことを伝えると、
と、マスク越しでもテンション高めで、喜んでるのがひしひしと伝わってきました。
スコアを見てみると、特にライティングの点数がすごく上がっていました。
ライティング
458点 / 650点 (前回)
540点 / 650点 (今回)82点アップ!
2級合格後は大学入試の勉強に
英検2級合格時、Mさんは高校2年生。
6月に合格後、大学入試向けの勉強も始めました。
大学入試共通テストは、試験時間の長さはセンター試験と同じですが、
問題の分量がさらに多くなっています。
以前のMさんは模試で時間が足りず、点数も取れていませんでした。
と言っていたのが嘘のように、
今は長文読解に真剣に取り組んでいる姿を見て、英語に立ち向かう勇気を感じています。
自ら学ぶ姿勢に
私は生徒さんにいつもこうなって欲しいと思っています。
それは「自分で学ぶ」という姿勢を持って欲しいということです。
一般的には「塾」=「教えてもらうもの」と考えられています。
もちろん、苦手意識がなくなるまでは「教えてもらう」という姿勢でも全く問題ありません。
ただ「勉強すること」を通じて、自分自身の傾向に気付いたり、自分なりの勉強法を発見して、自分なりの「学び方」を獲得して言って欲しいと感じています。
これまでも「塾のおかげで受かった!」と言ってくれる生徒も大勢いるのですが、
僕らが生徒さんに提供したことは「伴走」です。言い換えるとサポートやアシスト。
「受かったのは、生徒さんが本気で勉強したから」なんです!
個別指導だからこそ、
生徒さんが「教えてもらう」という受動的な状態から、
生徒さん自身が「自ら学ぶ」という姿勢に自然とシフトしてもらえているのかな、と感じています。
やってできない子はいない
個別指導塾は、自分で学び方を得ていくための土台を作る場所です。
個別だからこそ、ひとりひとりに合わせた時間管理やモチベーション維持ができるんです。
経験上、どんな生徒さんでも「やればできます」。
勉強が苦手なのは「学び方」や「時間の使い方」を知らないだけです。
勉強する時間を確保して、ちゃんとした勉強をすれば必ず伸びます。
生徒が諦めないなら、僕たちは絶対に諦めません!
むしろ生徒さんが諦めていても、僕たちが諦めていないことも多いです笑
正しいやり方で、諦めずに時間をかけて取り組めば、結果は自ずとついてきます。
そしてその「結果」が生徒さんを鼓舞し、さらに真剣に取り組んでくれるようになります。
このような循環を作ることで、生徒さんが自ら学んでくれるようになれば、
将来、壁にぶつかっても諦めずに取り組んでくれるのでは?と思っています。
もし英検2級につまづいていたり、共通テストの打開策が見えない場合は、
一度お話しさせていただければ方針を提示できます。
お気軽にお声がけください😆✨